【医療経営士1級】弁護士が教える受かる試験対策

医療経営士

 医療経営士1級の試験については、試験対策講座がなく、情報量も少ないので、どんな試験対策をとればいいのか模索されている方も多いと思います。そこで、医療経営士1級の試験勉強について、私の経験を簡単にご紹介します。

医療経営士1級試験の特徴

 医療経営士1級の試験は、1次試験が論文試験、2次試験が口述試験です。

 論文試験では、小問10問、大問2問が出題されます。大問に字数制限はありませんが、小問には字数制限があり、決められた字数内で論述しなければなりません。

 口述試験では、口頭試問(10分)と個人面接(10分)が行われます。口頭試問は、10分間のプレゼンテーションを行います。

1次試験(論文試験)対策

 私は、基本的に、長英一郎先生の予想問題集を繰り返し解くのと並行して、テキストなどのまとめノートを作っていました。

問題集 

 長先生の予想問題集は、頻出問題が豊富ですし、実践的な答案例もついているので、どのような問題が出て、どのような回答が求められているのかを知るうえで、非常に役立ちました。

 また、これを繰り返し解くことで、基礎知識が定着し、応用問題にも対応できるようになると思います。

 私は、問題を解く際には、手を動かすことを心掛けました。文章を書くと、理解が不十分なところが確認できますし、繰り返し書くことで論述の仕方を固めることができます。試験時間は長くないので、未知の問題に十分な時間を割くためにも、問題集と似た問題はすぐ論述できるようにしておくとよいでしょう。

テキストとまとめノート

 問題集だけでは知識の穴ができると思い、1級の推薦テキストも全巻揃えて学習しました。とはいえ、分量が多く、全て覚えきるのは難しいと思ったので、試験に出そうなところをパソコンでノートにまとめていきました。推薦テキスト以外から得た情報もまとめノートに一元化していき、試験直前には、まとめノートを読み返すだけで知識の総確認ができるようにしていました。

 ちなみに、1級の推薦テキストは、発刊以来改定されていないので、政策や統計に関する情報が古いままです。情報収集能力が試されているのだと思って、その都度、最新情報を確認していました。

雑誌

 月間医療経営士と日経ヘルスケアも購読していました。雑誌には、最新の政策動向やトピックスが盛り込まれているので、時事問題対策に役立ちました。

 ちなみに、医療経営士1級試験において、時事問題は侮るなかれです。医療分野で話題になっている問題については、自分の考えを伝えられるようにしておいた方がいいです。

YouTube

 長先生の医療経営チャンネル、医療費節約チャンネル(旧:医療くん)、コロナ関連のYouTubeをも視聴していました。

 長先生の動画では、診療報酬改定の趣旨などが分かりやすく解説されています。

 医療くんの動画は、基礎知識の確認に最適でした。

 また、コロナ関連の動画もチェックしていました。コロナ患者受入れ病院の現場の実情や医療体制の問題点を把握できました。

スケジューリング

 日常業務と家庭とを両立しながら試験勉強に取り組まなければならなかったので、効率よく学習するために、スケジューリングを意識していました。

 例えば、何月までに問題集を何回繰り返すか、何月までにテキスト何巻までのまとめノートを作るのか、直前期には何をするかといった計画を立てて、それを淡々と遂行していきます。無計画に試験勉強を始めると、いたずらに手を広げてしまい、余計な時間を費やしかねません。これを避けるためにも、試験日までの大まかなスケジュールを立てることが有益でした。日常業務に追われて計画が狂う時もありますが、計画の達成が目的ではないので、適宜修正しながらコツコツ学習を続けることが重要だと思います。

2次試験(口述試験)対策

2次試験対策の流れ

 私は、次の手順で2次試験の対策をしました。

①情報収集を行う。

②原稿を作成する。

③プレゼン資料を作成する。

④実際にプレゼンの練習をする。

⑤原稿・プレゼン資料の修正をする。

⑥④と⑤を繰り返す。

①情報収集

 設問テーマに対して的確に解答するためには、情報収集が不可欠です。私の場合は、選択したテーマが、近時の医療政策に関するものだったので、厚労省の公開資料(ワーキンググループの資料・議事録など)や、医療経営系の雑誌を中心に調査しました。

②原稿作成

 収集した資料を基に、プレゼンの原稿を作ります。プレゼンといっても試験ですので、採点基準があるはずです。設問テーマに対応する的確な回答ができているか、理論的な構成になっているか、具体的な提案ができているかなど、何に配点がされているかを常に意識しながら原稿を作成しました。

③プレゼン資料の作成

原稿を踏まえて、パワーポイントでプレゼン資料を作成します。伝えたいことが一見して把握できるスライドになっているか、重要な事項の記載漏れがないか、根拠資料が添付されているかなどを意識しました。

④~⑥プレゼンの練習と原稿・資料の修正を繰り返す

 ある程度プレゼン資料ができてきた段階で、実際に10分間でプレゼンの練習をしました。

 最初のうちは、タイムオーバーになったり、資料の説明に詰まったりと、プレゼンがうまくできませんでした。ただ、その都度、話すスピードを変えたり、原稿やプレゼン資料を修正したりすることで、内容をブラシュアップさせていきました。

 私はあまりできませんでしたが、プレゼンの練習をする際、誰か(できれば経営層)に聞いてもらって、いろいろと指摘してもらうのが効果的だと思います。内容が洗練されますし、自信をもって本番に臨めるはずです。

個人面接対策

想定問答集をつくる

 個人面接では、試験官から発表したプレゼンに関して様々な質問が飛んできます。思ったよりも厳しく追及されるので、質問されそうな事項について、あらかじめ回答を考えておき、ノートなどにまとめておくとよいと思います。

穴のないプレゼンにする

 個人面接を見越して、指摘されづらい内容のプレゼンにすることも重要だと思います。思い付きや独自見解などは指摘されやすいので、テキストや厚労省の公表資料などで裏が取れるか確認するとよいでしょう。プレゼンを聞いてもらった人に、実務感覚とずれている点、誤っている点、論理がよく分からない点などを指摘してもらうことも有益だと思います。

最後に

 以上のような学習方法で、なんとか1回目の挑戦で合格できました。ただ、医療経営士は業務独占資格ではないので、1級試験に合格しただけでは、以前と状況は変わりません。ですので、資格取得後に試験勉強を通じて学んだ知識をいかに役立てていくかが、合格すること以上に重要であるように思います。

 1級試験を通じて学んだことを単に試験のための知識で終わらせないように、将来のビジョンをもって試験勉強に取り組みたいですね。

(個人的には、医療経営士としてのビジョンを考えるうえで「医療経営士」情報誌『理論と実践』2021№40の座談会の記事が大変参考になりました。)

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